LOSEDOGS TECHNICS ここでは、ルーズドッグで行っている、様々なチューニングについてご紹介します。現在はお店のデモカーがランサーのため、露出度が高くなっていますが、チューニング得意車は当然それだけではありません。このコーナーでは、ランサー以外のクルマにどういった技術を提供しているかが、判るようになっています。

ボディ補強をする

    ●スポット溶接によるボディ補強を徹底解説●

0・スポット溶接の解説とその効果

 自動車のボディシェルは、鉄板をプレスして作ったパーツをくっつけたモノです。その接着方法として用いられているのが「スポット溶接」です。
 溶接は「線」でパーツをつなげていくように思いますが、このスポット溶接は文字通り点。あなたのクルマでもドア開口部の縁に点々と、小さく丸い溶接の跡が並んでいるのが見えるはずです。通常、メーカーはそのクルマが公道を走る上で、必要最小限の溶接を行います。しかし、この溶接点数だと、競技やサーキットなど高負荷がかかる環境では、ボディがねじれてしまうのです。
 そこで、溶接点を増やしてやります。そうすると、ねじれに対する剛性が上がり、固いボディができるわけです(紙2枚をホチキスで留めるとき、止めるポイントの数を増やすと動きにくくなるのと同じ)。
  実際メーカーでもスポーツ、ハイパワー車には多くスポット溶接を行います。ランサーセディアより、エボVIIは200以上溶接点が多くなっています(実際見ると、ほとんど隙間なく打たれています)。
 ただ、闇雲に溶接点を増やせばいいわけでもありません。それだけで速いクルマになるとは限らないからです。どの部分に、どれだけ追加するかは、実走データの蓄積が必要です。
 ルーズドッグでは、長年の競技車制作の実績がありますので、数や位置に関しての情報は豊富にあります(乱暴な例ですが、フロント側を固めると、総じてステアリングレスポンスが向上します。リアを固めると粘り腰がなくなって、限界が下がり、ジムカーナで小回りをさせやすくなります)。
  ボディの補強は足回りに大きく影響します。そのため、サスペンションがノーマルではその効果を活用できません。
 また、使い込んで「へたって」きた場合のリフレッシュとしてもスポット溶接は有効な方法です。


クルマのほとんどの箇所がスポット溶接により接合されている。点々の隙間がそのクルマの剛性を示す一つの指標になる。


鋼板が2枚から3枚重なるところで、この方法による溶接が行われている。さすがに溶接後はキレイで丸い凹みがあるだけにしか見えない。


★ボディ補強の種類★

●スポット溶接増し
クルマを組み立てているスポット溶接点の数を増やし、ボディシェルそのモノの剛性を向上させます。主に競技車に多く採られる方法です。重量増加がほとんどないので、数kgでも軽量化したいこの手のマシンに採用されます。スポットの数によって、剛性の度合いが調節できます。が、ボディから色々と内装などを外さなくてはいけません。

●リベット打ち
スポット溶接と同じ要領で、溶接点の間にリベットを打ち、剛性を向上させます。溶接よりも簡単な道具でできます。しかし、「画鋲で紙をとめる」のとおなじく、動く余地ができてしまうので、オススメはできません。

●発泡ウレタンサイドシル注入
2液を混合してサイドシルに開けた穴から注ぎ込むだけという簡単な補強方法です。最近よく耳にしますが、実際はもう何年も前からラリーやダートトライアルの世界では多用されていました。確かにクルマは堅くなるのですが、耐久性と、サイドシルが変形した場合修復ができない、というマイナスポイントがあります。また、操縦性が非常にピーキーになり限界ギリギリでのコントロールが難しくなります。最近は自動車メーカーでもウレタン補強を行っていますが、射出機を使い高圧でウレタンを押し込み発泡させています。一般で行う「流し込み」とは完成度が違うため、メーカーでも採用される方法だからいい。とはいかないようです。

●ロールバー
剛性と言うよりは、乗員安全のために取り付けられる場合が多く、ボディの補強という目的で装着するにはバーをレーシングカーのようにしっかりと溶接しなくてはいけません。


手順1・パーツを取り外し、バラバラにする。

  先ずはスポット溶接の増し打ちをする部分を露出させるため、クルマから余計なパーツを全て外します。今回はフロントフェンダーから足回り周辺が対象となるので、これに関係する部分を外します。さらに徹底した補強を行うときには、エンジンやミッションまで降ろすこともあります。パーツの脱着をユーザー自身が行えば、工賃を抑えることができます。


手順2・打つ場所を決める

 打つべきポイントに印を付けていきます。場所は純正のスポット溶接がされている点の間。今回は250〜300箇所の溶接ポイント追加になりそうです。


手順3・専用マッシーンを使用

 スポット溶接は、専用の溶接機で一ポイントずつ打っていきます。
火花を見ないようにしないと、目をやられてしまう危険があり。
ルーズドッグで行うスポット溶接はCO2溶接機を使用してます。


手順4・ドリルで「もみ」順番に溶接

 打つ場所を決めたら、先ず、ドリルで穴を開けていきます。2枚合わせの時は、1枚目を貫通し、2枚目の真ん中まで。ここに溶剤を流し込むわけです。このドリルによる穴加工を「もむ」と呼びます。
 この溶接はボディを引き締めるわけですから、タイヤの取り付けと同じように、しめる順番があります。今回のパターンでは、フロント部の左右を少しずつ進めていきます。片側だけを終わらせて、次。という方法だと歪みが出る場合があるのです。
 ハンマーで車体を叩いてみると、未加工では「ゴウン」と余韻があるのに対して、溶接の終わった部分は「ゴツッ」と短い歯切れのいい音がします。


左側がもんだ後のドリル穴。右が溶接直後


★スポット溶接によるボディ補強をオススメする時★

●ジムカーナ、ダートトライアルなどの競技のために
日常的に高負荷がかかる運転をするならば、ボディ補強は有効な手段です。ボディのねじれによる、不確かな挙動が抑えられ、サスペンションがフルに働き、リニアなドライブが可能となります。またボディ自体の耐久力が上がるため、クルマを長持ちさせることができます。行うタイミングは「競技車」を作るときに行うのがベストです。最初からカタイので効果が体感できないという悲しさがありますが。また、ボディの持っているサスペンション効果を上手に活用できるため公道走行時で、ある程度の安定を確保しておけます。

●ボディが痛んできた頃のリフレッシュ
くたびれてきたクルマのリフレッシュとして、行う手もあります。それほど頻繁にサーキットなどに行かなくても、年数が経てばどうしても、クルマからギシギシというねじれ系の音がしたりします。スポット溶接による剛性アップはボディ全体を均等に強くすることができます。そのため、一部を強化したために、他の部分にストレスが集中して破損。といったトラブルが出にくい利点があります。同時に足回りもリフレッシュして、新しいボディに対して、セッティングを取り直した方がよいです。



よい子はまねしないでね(保護具をつけましょう)。


前輪タイヤハウス内はほとんど隙間なくスポットを打ってあります。

手順5・全箇所を溶接し、錆止め剤を塗って完成

 溶接のためには、塗装や錆止めを全てはぎ取らなくてはいけません。燃える危険がありますから。また、はがしたり、焼けた状態で、そのままにしておくとすぐに錆びてしまいます。全箇所の溶接を終えて、一通りのチェックが済んだら、錆止め塗装を行います。モデルのクルマが競技車で、また、見えない部分がほとんどなので、ボディカラーに合わせるような厳密な塗装は行いません。
 このインテグラではフロントのサスペンション周りを中心に溶接点を増やしました。タイヤハウスから、ドア周りを強化してあります。これによってステアリングレスポンスが格段に向上します(足回りをボディの硬さに合わせて再セッティングする必要がありますが)。
 今回はジムカーナ車両のため、レギュレーションに沿ったカタチでの補強を施していますが、サーキットやストリートをメインとするクルマであれば、さらにできる方法が増えます。気になる人は、お問い合わせ下さい。
 また、このクルマによるジムカーナ走行を測定し、タイム変化について後日レポートをアップします。
※その効果について※
2002年のジムカーナが始まり、その最初の競技会に出走したとき、それまで9位が最高だったオーナーは、いきなり午前のアタックで2位に入る見違えるような走りを披露(しかもウエットで)。午後は見てわかるほどに「気負って」しまい、5位が最終順位となりましたが、いきなりのベストリザルト獲得。非常に期待が持てる結果となったのです。
オーナーの話では、リアの動きが非常につかみやすくなったという印象だそうです。加工前まではアライメントでリアが出易いようセッティングされていました。そんな特別なアライメントをしなくても、思い通りに振り回せるようになったとのことです。

●費用概算●
チューニング費用
(総合計/概算)
400000円 作業内容 スポット溶接
預かり日数 6日 参考 パーツ脱着を自身で行った場合
20万円ほどまで価格を下げることができます。

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